リムスキー=コルサコフ「シェヘラザード」

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リムスキー=コルサコフって聞いたことありますか?

19世紀に活躍したロシアの作曲家なんですが、

恥ずかしながら、私は今まで名前も代表作も知りませんでした。

知るきっかけとなったのが、

去る5月に友人が所属する社会人オーケストラの公演に行く機会でした。

その公演で初めて「シェヘラザード」を聞き、この曲が作り出す世界に魅了されてしまいました。

演奏開始直後の重低音から笛の音色で、

これから豪奢で、哀しく、美しいストーリーが始まるんだなと予感させ、

そのすぐに奏でられるバイオリンの旋律が

「あ、これがシェヘラザードか」と直感で分かると、あとはすっかりその世界に飲み込まれてしまっていました。

まだ演奏が始まって3分も経っていないと思いますが、

終わる頃には「まだ終わって欲しくない、まだ聞いていたい」と思うほど没入していました。

学生時代に音楽鑑賞としてオーケストラ公演を聴いたり、オーケストラ部の演奏を聞くことはあっても、

これほどまでに深く傾聴し、情景が頭に浮かぶという体験はしたことがなく、自分としてはある種ショッキングな体験とも言うべき、演奏会でした。

演奏会後はYouTubeでシェヘラザードを検索しイヤホンごしに聞く毎日…。

また生で演奏を聞きたいなぁ…、バレエもあるようだし、そんな機会がないかなぁ…と思っていた矢先、新国立劇場にてバレエ公演を行うという情報が飛び込んできたのです!

すぐ申し込みしました。

見に行ったのは、国際バレエアカデミアバレエ団です。

夏休み中ということもあるのか、親子連れの方も多く見かけ、

終演後の帰り道では、バレエのステップをしながら帰路に就く女の子たちが可愛らしかったです。

メインの「シェヘラザード」の前にいくつか演目があり、

「新世界より」のペアダンスは、

夕方のチャイムで聞きなじみがあるせいなのか、

メロディがどこか懐かしさを感じさせ、夏の夕べにぴったりだなと聞き入ってました。

そして、休憩ののちにいよいよ開幕した「シェヘラザード」は、

舞台下にいるオーケストラによる生演奏はもちろんのこと、

ダンサーさんの衣装の豪華なこと!!

踊るたびに揺れるアクセサリー、色や材質も様々な生地で着飾った登場人物にまず目を奪われてしまいました。

群舞色乱れる中でも、主役2人の金色の衣装が特に目立ち、後方へ下がった時でも埋もれない輝きが印象的でした。

楽曲が完璧に完成されているだけに、

ダンスとして身体表現に落とし込むのは難しいのでは…と素人ながらに心配していましたが、

楽曲を視覚的に表現するという難題を、このカンパニーは軽々と飛び越えていき、舞台を跳ね回っているのを見ると、こちらまで気持ちが軽やかになり心地が良かったです。

目の前の楽器から響く音の振動、ダンサーさんの流れるような動きとそれに伴う足音やかすかな衣擦れ…

目と耳にダイレクトに入ってくる刺激に、圧倒され、陶酔した一夜となりました。

「シェヘラザード」という曲を知ってから3か月余り、

これまでオーケストラにもバレエにも興味のなかった自分が劇場に足を運ぶまでになったことに、自分でもびっくりしてます。

いったん「シェヘラザード」の熱は冷めたように見えますが、

バレエ公演を見てから数週間経っても、これだけの熱量でブログを書いてますから、

まだまだほとぼりが収まることはなさそうです。

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